親は子どもにどんな幸せを望むのか ―14歳 藤井聡太プロのニュースに寄せて―

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将棋の世界でキラ星の如く登場した藤井聡太四段(14)。
史上最年少棋士でデビュー戦以来無敗の29連勝は、これまた史上最高の大記録だ。

将棋の技能・その将来性については、既に侃々諤々の議論がされている。
素人の私が語るべくもない存在であることは間違いない。

早熟の天才

野球好きからすると「1994年イチロー登場の衝撃」と重ねあわせてしまう(それは野球好きからの最大の賛辞と思っている)のだが、異なる状況が1つ。

藤井プロが「14歳」であることだ。

きっかけは以下のニュース。
連勝新記録樹立の藤井聡太四段「学校行きたくない」で母困惑

「大阪ばかりでなく、東京での対局も増えてきます。
今はすべての時間を将棋にあてたくて、学校に行く時間ももったいないみたいです。
今日も『学校に行きたくない』とブチブチ文句を言っていました。
高校進学についてはどうなるのでしょうか……心配です」

他方、将棋界には、ティーンエイジャーであるこの時期はまさに「ゴールデン・エイジ」との見方もあるそうだ。

だがいっぽうで、棋力がもっとも伸びるのも高校時代と言われているから難しい選択だ。
奨励会(プロ棋士の養成機関)に子供を通わせる母親も、藤井四段の母親と同じく頭を抱えている。

生きる伝説である羽生善治名人の高校生時代も、母親は同様の悩みや後悔があったようだ。

プロ棋士となってからも一時東京都立富士森高等学校に通う多忙な生活を送っており、試験は持ち前の記憶力で突破していたが出席日数が足りず、東京都立上野高等学校通信制に転入し、卒業。母は「将棋に専念させず高校に通わせたことを後悔した」と述べている。 「羽生善治」-Wikipedia-

普通の幸せを願う親

世間からも様々な反応があった。
印象的だったコメントは以下のもの。

これは子供のいない人間にはわかるまい。親としては相当な苦悩だぞ。親ってのは子供に幸せになってほしいわけであって、天才や一流になってほしいわけじゃないのよ。
「zu-raのコメント 2017/06/30 17:05」-はてなブックマーク-

私にはまだ子どもがいないのだが、このコメントには共感させられた。

どちらかというと自分が子ども側の視点で、両親と接した頃の記憶からだろうか。

両親はあくまで「元気に、楽しく幸せに生きてくれれば大成功を収めなくてもいい」と思っていた(と私は思っている)。

大きな成功や歴史に残る偉業を収めてこその人生だ、と青くさく考えていた私にとってはフラストレーションの溜まる会話でもあった。
だが、今20代も終わりに近づく年齢になり、ようやくその気持ちがわかってきたような気がするのだ。

どんな環境でも大丈夫

人生は、誰かに凄いと言ってもらうためにあるのではない。
その指標は自分自身で決めればいいのだ。

本記事は偉業を達成していく藤井プロを批判するものでは決して無い。

藤井プロを応援しながらも、少し心配な母裕子さんの様子を想像したのだ。
ただ、どんな環境でも藤井プロならば成長していけるように思う。

試合後の謙虚なコメントや素直さを見るにつれ、このティーンエイジャーをどこまでも応援したくなっている。